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女は抱かれて刀になる
第4章 若紫
こうなれば虎徹が話を聞き入れないのは、この三日間で和泉もよく分かっている。綺麗にしてから出ればよかったと後悔しながら、和泉は体を晒す。せめて早く体を洗おうと、浴室に入ってすぐにシャワーを出した。
「そう焦るなって。せっかくこうして二人で入ってるんだから、やる事はいっぱいあるだろ」
だがシャワーも背後に立つ虎徹に取られ、和泉は手持ち無沙汰になってしまう。
「……ホントにボク、汚いんだよ」
背中にシャワーを浴びせられながら、和泉は呟く。流したくても流せない言葉に、虎徹は一度シャワーを止めた。
「ボク、菊さんにさっきまで抱かれてた。嫌だって思ってたのに、訳分かんなくなるまで感じさせられて、イッちゃった。おかしいよね、淫乱だよ」
自分で自分に針を刺す和泉だが、背後の虎徹は和泉を抱き締め温かく包む。
「よし和泉、それじゃ俺の宝刀もちょん斬れ」
「……は?」
まったく予想もしていなかった言葉に、和泉は思わず振り向く。虎徹はしれっとした表情で、当然のように言い放った。
「他の奴に欲情しちゃいけないなら、俺の今までの人生丸々アウトだ。お前が自分を責めるなら、俺もそれくらいしないとな」