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女は抱かれて刀になる
第4章 若紫
 
「虎徹、ボクを綺麗にして。嫌な事全部忘れるまで、虎徹でいっぱいにして。もうボクね、虎徹じゃないと嫌なんだ」

「安心しろ、俺は刀匠だからな。芸術品を磨くのは慣れてる、世界一綺麗な女にしてやるよ」

「虎徹のばか。ボクの事、買い被りすぎだよ」

 虎徹の冗談に、和泉は思わず笑いを零す。真っ暗な夜を照らす月のような微笑みに、虎徹は内心安堵する。真っ二つに折れてしまった刀は、いかな刀匠でも戻せない。しかし今の和泉は、まだ打ち直せる芯を宿していた。

 背中を撫でていた大きな手が、前へ移動し和泉の胸を洗い始める。初めは形をなぞるように柔らかく滑らせ、揉みしだく。和泉が頬を上気させ始めると、ぴんと張る乳首に手のひらを当てた。

「ぁ……っ」

 あくまで泡立てるように、手のひらを回しそこを刺激する。和泉が足を震わせると、壁にもたれるように押し付けた。

「泡……気持ち良い。なんか、ふわふわだけど滑るし、変な感じ」

「ローションともまた違うんだな。まあ、肌には優しそうだ」

「虎徹、ローションなんか使うの?」

 肌のトラブルなど気にも止めなさそうな虎徹から出た単語に、和泉は眉をひそめる。
 
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