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改訂版◆散る華如く
第2章 孤独な女商人
しをなは洋服の型を取った布にミシンを掛けながら
死んだ母と―幼いまま帰らぬひととなった妹、瑠花(ルカ)のことを思い出していた。
「お母様、瑠花・・・」
(あの放火さえなければ、二人は死なずにすんだのに・・・)
「わたしだけでこの店を守っていけるの・・・?藍さんはいるけれど、本当の店の持ち主はわたしだわ・・・」
「―気に病まないで、しをなさん。」
「藍さん・・・」
「貴方は十分立派にこの店を切り盛りしているわよ。
「ありがとう・・・そう言ってもらえて嬉しいです。」
彼女は微笑んだが―その表情はまだ思い悩んでいるようだった。
「それに・・・あの放火は貴方のせいじゃないわ。」
その言葉に、びくり、と身体を揺らすしをな。
「貴方のことだから、自身の行いのせいだと想っているのでしょう?」
「でも、わたしは・・・」
「貴方も、貴方のおかあさまも・・・自身に厳しすぎるわ。」
その藍の笑顔に、一抹の苛立ちとほんの少しの温かな気持ちを感じる。
「―あなたに何が分かるって言うんですか・・・」
頭は無一色だと言うのに、言葉が止まらない。
「わたしの母を知らないあなたに、何が分かるって言うんですか・・・?」
「しをなさん、わたしは・・・」
「あなたにわたしの気持ちなんて分かりません・・・!!」
そう言うと藍を追い出した。
死んだ母と―幼いまま帰らぬひととなった妹、瑠花(ルカ)のことを思い出していた。
「お母様、瑠花・・・」
(あの放火さえなければ、二人は死なずにすんだのに・・・)
「わたしだけでこの店を守っていけるの・・・?藍さんはいるけれど、本当の店の持ち主はわたしだわ・・・」
「―気に病まないで、しをなさん。」
「藍さん・・・」
「貴方は十分立派にこの店を切り盛りしているわよ。
「ありがとう・・・そう言ってもらえて嬉しいです。」
彼女は微笑んだが―その表情はまだ思い悩んでいるようだった。
「それに・・・あの放火は貴方のせいじゃないわ。」
その言葉に、びくり、と身体を揺らすしをな。
「貴方のことだから、自身の行いのせいだと想っているのでしょう?」
「でも、わたしは・・・」
「貴方も、貴方のおかあさまも・・・自身に厳しすぎるわ。」
その藍の笑顔に、一抹の苛立ちとほんの少しの温かな気持ちを感じる。
「―あなたに何が分かるって言うんですか・・・」
頭は無一色だと言うのに、言葉が止まらない。
「わたしの母を知らないあなたに、何が分かるって言うんですか・・・?」
「しをなさん、わたしは・・・」
「あなたにわたしの気持ちなんて分かりません・・・!!」
そう言うと藍を追い出した。