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改訂版◆散る華如く
第2章 孤独な女商人
「ただいま、藍さん・・・」

「お帰りなさい、新しい依頼が来てるわよ。」

藍は今まで何をしていたか聞くまでもなく

優しく微笑んで、店の中に入れてくれた。

「藍さん、あの・・・」

「知っているわ、菊屋にいたのでしょう?」

「えっ・・・?」

「―貴方がいつかそうなるって分かっていたもの。貴方のおかあさまのように。」

「わたしの、お母様・・・?」

「えぇ、でも・・・あまり無暗にあの場所に近づかないでね。」

「どうして・・・?」

「それは・・・」

(貴方の母であり私の姉、紫音(しおん)がどうやって亡くなったか言えたら・・・)

「分かって、しをなさん?私は貴方を護りたいの・・・」

「・・・っ」

しをなは哀しげな、それでいて悔しそうな表情のまま

奥の私室へと走り去って行った。

誰もいなくなった部屋で、藍は呟いた。

「そうよ・・・もう二度とあの悲劇を繰り替えしはしない。そのためには・・・」
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