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改訂版◆散る華如く
第1章 すべての出逢い
やがて、涙が枯れたらしく
しをなは笑った。
「何だか・・・ごめんなさい。」
苦笑に似た笑みではあったが、その微笑みは随分と晴れやかなものになっていた。
瞼も紅く腫れてしまっていて、杏沙はそっとその瞼に触れる。
「杏沙さん。話を聞いてくれて、ありがとう・・・」
その笑顔の眩しさに、彼は頬に熱が集まるのを感じ
慌てて目を反らした。
「いいよ、俺の話も聞いてくれて・・・・ありがとう。」
ふと時計を見た彼が呟く。
「―そろそろ朝になる・・・また、俺に逢いに来てくれるよな?」
「はい、きっと来ます。」
「あんたが日々を笑って過ごせるように祈っとくよ。」
「はい、では・・・わたしはこれで。」
「待って、見世の外まで送るよ。」
「杏沙・・・!!」
ちょうどそんな時、いろはが一階から叫んでくる。
「あーあ。いろはだ、行こう・・・」
「ふふっ・・・いろはさんとは仲が悪いのですか?」
「笑わないでよ・・・よく犬猿の仲だって言われるよ。」
そして二人で階段を下りる。
「何だよ、いろは・・・」
「もう時間でしょう、お嬢さんを・・・」
「わたしなら、もう帰るところです。」
「では、わたしは・・・これで失礼します。」
彼女は菊屋を出て行った。
しをなは笑った。
「何だか・・・ごめんなさい。」
苦笑に似た笑みではあったが、その微笑みは随分と晴れやかなものになっていた。
瞼も紅く腫れてしまっていて、杏沙はそっとその瞼に触れる。
「杏沙さん。話を聞いてくれて、ありがとう・・・」
その笑顔の眩しさに、彼は頬に熱が集まるのを感じ
慌てて目を反らした。
「いいよ、俺の話も聞いてくれて・・・・ありがとう。」
ふと時計を見た彼が呟く。
「―そろそろ朝になる・・・また、俺に逢いに来てくれるよな?」
「はい、きっと来ます。」
「あんたが日々を笑って過ごせるように祈っとくよ。」
「はい、では・・・わたしはこれで。」
「待って、見世の外まで送るよ。」
「杏沙・・・!!」
ちょうどそんな時、いろはが一階から叫んでくる。
「あーあ。いろはだ、行こう・・・」
「ふふっ・・・いろはさんとは仲が悪いのですか?」
「笑わないでよ・・・よく犬猿の仲だって言われるよ。」
そして二人で階段を下りる。
「何だよ、いろは・・・」
「もう時間でしょう、お嬢さんを・・・」
「わたしなら、もう帰るところです。」
「では、わたしは・・・これで失礼します。」
彼女は菊屋を出て行った。