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Dolls…
第1章 出会い
私の長い真っ黒のロングヘアーが風になびいて気持ちいいが、夕方と言えどまだ少し暑い。
あの山がどんどんと目前に迫ってくる。
さっきまでシルエットしか見えてなかったあの屋敷の形が少しずつだが見えてくる。
けれど、それと同時に梓の台詞が脳裏を過る。
『人間に捨てられた無数の人形達が……』
はは…、この時期にぴったりの怪談話じゃん。
しかし、私の胸はそんな事などお構い無しなぐらいに高鳴っていた。
恐怖?好奇心?
でも、外はまだ明るいし、私には霊感なんてものもないし、さしたる問題はない…、と思うけど。
けれど、体は正直で自転車を漕ぐ足のスピードが徐々に遅くなって来る。
…た、確かに私には霊感なんてないけど、もし日が落ちて真っ暗になったら…
問題はないと言っても真っ暗な山の中は不気味だ。
しかし、目指す洋館のある山はもう目前である。
明るいうちに着きたいと思ってたから物凄いスピードで漕いで来ちゃったんだ。
山を目前にして、思わず立ち止まってしまった。
いくら田舎育ちで山や森には慣れているとは言っても、さすがに夜の山や森の中は怖い。
「ど、どうしよう…、ここまで来たのに…」
目の前に聳える山を見て背筋にゾクッとした寒気が走った。
ここまで来ては帰れないよ。
でも、この辺じゃ有名な都市伝説もあるぐらいだしな。
自転車から降りて山を見上げながらその場で動けなくなっていると…
「あの…、あの山に行く気ですか?」
「え?」
私に話しかけて来る女性の声が聞こえた。
ふっと見ると…、買い物袋を下げた若い女性が私に話しかけていた。
あの山がどんどんと目前に迫ってくる。
さっきまでシルエットしか見えてなかったあの屋敷の形が少しずつだが見えてくる。
けれど、それと同時に梓の台詞が脳裏を過る。
『人間に捨てられた無数の人形達が……』
はは…、この時期にぴったりの怪談話じゃん。
しかし、私の胸はそんな事などお構い無しなぐらいに高鳴っていた。
恐怖?好奇心?
でも、外はまだ明るいし、私には霊感なんてものもないし、さしたる問題はない…、と思うけど。
けれど、体は正直で自転車を漕ぐ足のスピードが徐々に遅くなって来る。
…た、確かに私には霊感なんてないけど、もし日が落ちて真っ暗になったら…
問題はないと言っても真っ暗な山の中は不気味だ。
しかし、目指す洋館のある山はもう目前である。
明るいうちに着きたいと思ってたから物凄いスピードで漕いで来ちゃったんだ。
山を目前にして、思わず立ち止まってしまった。
いくら田舎育ちで山や森には慣れているとは言っても、さすがに夜の山や森の中は怖い。
「ど、どうしよう…、ここまで来たのに…」
目の前に聳える山を見て背筋にゾクッとした寒気が走った。
ここまで来ては帰れないよ。
でも、この辺じゃ有名な都市伝説もあるぐらいだしな。
自転車から降りて山を見上げながらその場で動けなくなっていると…
「あの…、あの山に行く気ですか?」
「え?」
私に話しかけて来る女性の声が聞こえた。
ふっと見ると…、買い物袋を下げた若い女性が私に話しかけていた。