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Dolls…
第7章 瞳の中の過去
椎葉さんが私を選んだ理由は、この上無いほどに悲しい理由だった。

薄れて行く意識。

だけど、確かに私の胸はズキズキと痛んでいた。


「やだっ、あっ!イクッ…ま、またイッちゃ…ぅ…っ」

容赦なく打ち付けられる椎葉さんの腰。

その度に、私の奥の切ない部分に椎葉さんの尖端が突き刺さるみたいに刺激して来る。

刺されるたびに私の体は素直に反応を繰り返す。


「ああっ!やだっ!も、無理…っ、本当にげ、げんか…あああっ!!」

「もっと楽しませてもらいたいが、…くっ、こっちももうヤバそうだ…っ」




椎葉さん…

椎葉さんが与える刺激に、貪るように食らい付いて

髪もぐちゃぐちゃに振り乱しながら、獣みたいに鳴き叫ぶ

そんな私がモデルに相応しいと本気で思ってるの?



私の頭の中には、寂しげな表情の奈々さんがいた。

椎葉さんの背中で小さくなって泣いていた、あの綺麗な人。





「イク…、も、いやぁぁぁぁぁっ!!」

「……っ!━━━━━━━━━」





部屋中に私の悲鳴が轟いた。

椎葉さんの欲求を一身に受け止めて…。






奈々さん。

あなたも、こんなふうに

椎葉さんに弄ばれたんですか…?









「はぁ、はぁ…っ」

「……っ」

私の顔と頭上に伸ばされた腕の隙間に顔を挟み私の肩に額を乗せて息を整えている椎葉さん。

そのまま小さな痙攣を繰り返しながら体が落ち着くのを待っていた。

私は…、落ち着くのにかなりの時間が必要みたいだけど。


「は…っ、悪い。つい夢中になり過ぎた…」


肩越しに椎葉さんの冗談混じりの謝罪が聞こえたけど、どうせ本気で謝ってるわけではない。

そんな事ぐらい先刻承知だ。

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