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Dolls…
第7章 瞳の中の過去
足と腰に力が入らないなんて知ったら、また馬鹿にしたようにせせら笑う気なんだ。

まぁでも、いつまでもこの格好でいたんじゃそのうちバレるだろうけど…。

「本当に、ほっといて下さい…、シャワーは後で使います…」

もし、下半身に力が入らなくて立てないとわかれば、また強引に私を担いでお風呂場に連れていく気なんだろう。

そんなところまでお世話になりたくない。

それに、今は椎葉さんの顔をまともに見れそうにない。




…動物のように、ただの雌に成り下がって

悲鳴にも似た声で鳴き叫んでしまったんだ。

そんな姿を見られて、普通になんて出来るはずない。





一糸纏わぬ姿。

玄関ホールで気絶させられて、気づけばこの地下室で縛られてて、私の衣類は椎葉さんがどこかにやってしまった。

今は汗まみれの湿った体を冷気に晒し続けてる。

さっきまで汗をかくほど暑かったのに、今は逆に寒い。


本当にこのままじゃ、椎葉さんの言う通り風邪を振り返してしま━━━━━━






…バサッ


「…………?」

「着てろ」




ぼんやりと宙を仰ぐ私の視線。

虚ろになった目で捉え損ねたが、突然何かが冷気を遮断してきた。

素肌に感じてた寒さが…、なくなっ、た…?

ハッと自分の体を見ると、真っ白な何かが私の裸を隠すように覆い被さっていた。

よく見ると、それは…。





…カッターシャツ?






ふっと見ると、目の前の椎葉さんは

ズボンこそ履いてはいるが、上半身は裸。








これ、もしかして、椎葉さんのカッターシャツ…?

でも、どうして…?





…まさか、私が寒くないように自分のカッターシャツを…?













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