この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Dolls…
第8章 古傷
私の反応が余程気に入ったのか椎葉さんの笑いは止まらない。

壁にもたれる私を見ながらまだクスクスと笑ってる。

椎葉さんのその笑いが私の神経を逆撫でしてるみたいだった。

…何だか悔しい。


やっぱり、こんな人、大嫌いだ。


「っていうか、椎葉さんだってコソコソと何か見てたじゃないですか…。私が来た途端に隠したの、ちゃんと見てたんですから…」



そう。

私は見逃さなかった。

別に盗み見するつもりはなかったが、ドアを開けたその一瞬しか見えなかったが

椅子に腰かける椎葉さんの後ろ姿。

その後ろ姿は手に持った何かを一心に見つめてた。

椎葉さんの後ろ姿しか見えてなかったけど、何だか大切な何かを愛しそうに見つめていた。


「……何か怪しいものでも見てたんですか?」


仕返しと言わんばかりその質問を投げつけた。

椎葉さんばかり私の本音を見透かしてばかりで、自分は全てをひた隠しにしてる。

それじゃ、あまりにも不公平だ。


ふんっとしてやったり顔を浮かべる私だが…。



「…………………。」

「……あの」



椎葉さんの笑い声が止んだ。

不思議に思い椎葉さんの方を見ると、その顔から笑顔は既に消えていた。



「あの、椎葉さん…?」



………?

言い返して、来ない…?

いつもならからかったような口調で私をあしらう癖に、何1つ言い返して来ない。

変わりに、切なそうな表情で伏し目になりながら冷めたような笑みを浮かべている。


……私、また何か変な事を言ったのかな…?


「し、椎葉さ…」

「お前には関係ない物だ。余計な詮索はするな」

「………っ」

「さっさとシャワー浴びて来い」




椎葉さんのその一言が私の心臓を抉る。

余計な詮索って、何よそれ…。



…私には関係ない物…。

…確かに、その通り。

この人が何を見てようが、私には関係ない。


/559ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ