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Dolls…
第1章 出会い
「はぁ、はぁ…、息巻いたのはいいけど、何でここまで来てパンクなのよ…っ」
山へと続く砂利道を突き進んでるうちに自転車のタイヤがやられてしまったのだ。
仕方なく自転車を押しながら険しい山道をひたすらに歩いた。
木々に囲まれてるだけあって都会の中心部に比べたら幾分かは涼しい。
辺りは薄暗くなって来ていて先程とはうって変わって不気味な雰囲気が漂っている。
ったく、このオンボロ自転車っ!
仕方ない。
東京に出て来たその日に近くのリサイクルショップで買った安物の自転車だもん。
しかし、こんな重い自転車を押しながらこの山道を登るなんてちょっと無謀だったかな?
山と言っても一応は東京の一部だし凶暴な野性動物の心配はないだろうけど。
パンクした自転車を押しながらこの山道を登り出して早30分以上。
辺りはどんどん暗くなって行くし山の中だけあってひとっ子1人いやしない。
何が悲しくてこんな山道を歩かなければならないんだ?
明日も仕事だって言うのに、これじゃ体力が━━━━━━━
と、溜め息を付きながら登っていると、目の前に大きな屋根が見えた。
「あ……っ」
ぼんやりして気づかなかったけど、あの大きな屋根はもしかして…?
駆け足になりその屋根の見える方へと近づいた。
「はぁ、はぁ…」
心臓が張り裂けそうなぐらいにドキドキ言ってる。
恐怖?好奇心?ただの動悸?