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Dolls…
第1章 出会い
自転車を置いて行けばもっと早く走れるが、自転車の篭には大事なスケッチブックや画材用具が入ってるのだからそうも行かない。
急な登り坂を駆け足で急いだ。
そして、やっと平坦な道に辿り着いたかと思うと、目の前に現れたのは━━━━━━━
「うわぁ…」
そこには
本当に中世のヨーロッパにタイムスリップしたかのような大きな洋館が聳え立っていた。
見た目は…、どこかのテーマパークにありそうなお城と言ったところか。
思わず見上げてしまうほどの大きな門に守られたその屋敷は、下界の都会からは完全に隔離されたかのように山の中にひっそりと建っていた。
真っ暗になったら山の中でもわかるぐらいの威圧感。
その屋敷を見た瞬間、さっきまでの恐怖はどこかへとぶっ飛んでしまった。
そして、思った。
描きたい、と。
私の絵描きの血が煮えたぎってるような気さえしたのだ。
「えっと、そうだ…、自転車…」
パンクした自転車をそばの木々に寄りかけて、篭からスケッチブックを取り出した。
とにかく、いいアングルを探さないと。
パッと見の姿じゃなく、もっといろんな角度から…。
今日はもう暗くなってきたからせめて携帯で写メだけでも撮って帰ろう。
スケッチブックと携帯を片手にその家の周りの散策を開始。
門の前からとか、見上げた姿とか、とにかくいろいろ。
家の回りを走り携帯でその姿を収めていく。
真っ暗な山の中で携帯のフラッシュだけがチカチカと光る。
家の人の許可とか、そんなことすらもう頭になかった。
梓は無人って言ってたし、さっきの女性の言うように人が住んでたとしてもこんな場所に住むような変な人だし、後で謝ればいいや。
急な登り坂を駆け足で急いだ。
そして、やっと平坦な道に辿り着いたかと思うと、目の前に現れたのは━━━━━━━
「うわぁ…」
そこには
本当に中世のヨーロッパにタイムスリップしたかのような大きな洋館が聳え立っていた。
見た目は…、どこかのテーマパークにありそうなお城と言ったところか。
思わず見上げてしまうほどの大きな門に守られたその屋敷は、下界の都会からは完全に隔離されたかのように山の中にひっそりと建っていた。
真っ暗になったら山の中でもわかるぐらいの威圧感。
その屋敷を見た瞬間、さっきまでの恐怖はどこかへとぶっ飛んでしまった。
そして、思った。
描きたい、と。
私の絵描きの血が煮えたぎってるような気さえしたのだ。
「えっと、そうだ…、自転車…」
パンクした自転車をそばの木々に寄りかけて、篭からスケッチブックを取り出した。
とにかく、いいアングルを探さないと。
パッと見の姿じゃなく、もっといろんな角度から…。
今日はもう暗くなってきたからせめて携帯で写メだけでも撮って帰ろう。
スケッチブックと携帯を片手にその家の周りの散策を開始。
門の前からとか、見上げた姿とか、とにかくいろいろ。
家の回りを走り携帯でその姿を収めていく。
真っ暗な山の中で携帯のフラッシュだけがチカチカと光る。
家の人の許可とか、そんなことすらもう頭になかった。
梓は無人って言ってたし、さっきの女性の言うように人が住んでたとしてもこんな場所に住むような変な人だし、後で謝ればいいや。