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Dolls…
第8章 古傷
…古いお付き合い。

改めて自己紹介をされたが、椎葉さんと何かしらの関係があったことは、あのただならぬ様子からして察しがつく。

盗み見してたことはさすがに言えないけど。

「あ…、つ、椿です」

私も簡潔ながらに自己紹介を済ませて軽く頭を下げた。

まさか、こんなボロボロの姿で奈々さんに会うなんて思ってなかったからマトモに顔が上げられない。

「椿さん、ね。…もしかして、秋人の妹さん?それとも、親戚の方?」

「あぁ…、えっと…」

ここは…、親戚か妹かで誤魔化した方がいいだろうか。

だって、私と椎葉さんの関係は説明し難いものだし

それに、椎葉さんのカッターシャツを着てるこの状況じゃ身内ということにしてた方が怪しまれないだろうし。


「綺麗な髪ね。羨ましいわ」

奈々さんの手が私の髪に伸びて、私の髪を指にスッと絡ませた。

「あ…、ど、どうも…」

こんなぐちゃぐちゃに振り乱れた髪を綺麗だなんて…。

お世辞に決まってるだろうけど、何だか照れ臭い。


何でこんなボロボロの状態で奈々さんに会っちゃうんだろう。

見れば見るほど私と奈々さんには差が有りすぎて、私なんかにモデルは務まらないと嫌でも思い知ってしまう。

劣等感で先程にも増して心が痛い。


ふわりと香る奈々さんの香水の香り…。

柔らかくて優しい、石鹸系の香りだ。


「ねぇ。このシャツって、秋人の…」

「え?」





「ムスクの香りが…」












━━━━━━━━━っ!!




体が、ビクッと強張った。

そうだ…、今私、椎葉さんのカッターシャツを着てるんだった。

椎葉さんのムスクが香るカッターシャツ。

奈々さんにはすぐにわかっただろう。





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