この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Dolls…
第8章 古傷
あちこちに転がってるまだ髪も瞳も色も何も付いてない、のっぺらぼうに近い人形の頭部。

こうやって見ると不気味だな…。



ここで椎葉さんは人形を作ってるんだ。

作り物とはわかってても妙にリアル過ぎて気持ち悪い。



今にも動き出しそうな足や腕。

1つ手に取って見てみるが、感触は木そのものだ。

これが木で作られたって方が信じられないくらいにリアルだ。


小さな、子供みたいな手。


私にはただの悪人に見えるけど、こんな凄いものを作れるんだからやっぱり椎葉さんはプロの人形師さんなんだ。


凄いな…。

私を押さえつけてたあの手が、こんな繊細な物を作り出せるなんて。

指の皺や関節まで綺麗に表現されてる。


凄く器用な指先…。

絵を描く私も同じだけど、こんな細かい部分までちゃんと観察するなんて並大抵の事じゃない。

目を凝らしてしっかり見据えないと見逃してしまいそうな細かい部分まで…。





窓際に置かれた光に照らされた机の上には他のパーツが転がっている。

他の頭部や腕や足。

あまり触らないようにしなきゃと、この部屋に入ったことを少し後悔してしまったが

そのパーツや木屑が並ぶ机の上に置かれた1つの写真立て。



「………?」



日の光に誘われるようにその机の写真に近づいた。



この、写真って…。



写真立てに入ってるその写真は、綺麗な黒髪をなびかせた1人の女性が写っていた。




青空の下、優しそうな笑顔を見せる女性。

長く綺麗な黒髪をセンター分けにした美しい女性。

年齢は30代前半ぐらいかな?



この人は、一体…。

大事そうに写真立てに入れて、作業中も目につくような場所に置かれてるこの写真。

そして、この写真は一体…誰?




/559ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ