この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Dolls…
第8章 古傷
奈々さんでもないこの女性は、椎葉さんの他の人形のモデルだろうか?
でも、どうしてこの女性だけこんな大事そうに写真立てに入れてるんだろう。
椎葉さんにとって特別な人なのだろうか…?
写真の中で優しく微笑むこの女性は椎葉さんの………。
まるで絵のような綺麗な女性を見つめていると…
━━━━━━━ドンッ!!
「……あっ!」
先程とは違い大きな音がドアから聞こえる。
そう言えば、私が怒鳴ってからドアを叩く音が聞こえなくなってたけど…。
手でドアを叩く音じゃない。
何か違うものでドアを叩いてるようだ。
まるで、体当たりでもしてるかのように…。
━━━━━━ドンッ!!ドンッ!!
バキッ!!
「あっ…!」
体当たりじゃない…。
バキッという音と共にドアに何かが刺さりドアの木屑がバラバラと床に散乱する。
それは、洋画などで見たことのある木を切る為の斧。
まさか、椎葉さん…っ。
バキッ!バキッ!
「い、いやぁぁっ…」
ボロボロに壊れ穴の空いた隙間から椎葉さんの顔が見えた。
ドアノブすら外側から斧で壊してしまったようだ。
「チッ…、手のかかる女だな…っ」
この人、普通じゃない…。
いくら自分の家だと言っても、普通ここまでする…?
斧でドアを壊すなんて…っ!
鍵を壊されたドアはキィッと音を立てながら呆気なく開き、椎葉さんの侵入を許してしまった。
「手間かけさせやがって…」
「あ…っ」
思わずその場に尻餅を着いてしまったが、そんな私の元へ椎葉さんは大股で歩きながら近づいてくる。