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Dolls…
第8章 古傷
つまり…、私が椎葉さんを恨んでる間は椎葉さんの元から去ることは出来ないし椎葉さんが私を手放すこともない。

少なくとも、今の段階じゃ椎葉さんは私を手放しはしない。


私のこの憎しみに満ちた瞳は椎葉さんの人形作りには必要不可欠らしい。

椎葉さんを愛しそうに見つめる奈々さんの瞳は生きた人間の瞳だから。



「奈々さんは…?」


奈々さんの事が気になった。

私を恨みあんな意味深な捨て台詞まで吐いていた奈々さんの事が気がかりだった。

思わず駆け出してあの場所へ置き去りにしてしまったけど、あの後どうなったのかな?


「奈々なら帰らせた。2度とお前には近づけさせない」

「……そうですか」


椎葉さんが私を選んだのはそんな単純な理由だ。

愛とか恋とかそんな甘いものじゃなくて、単に椎葉さんが作りたい人形と私の雰囲気が合致しただけ。

この人に、愛とか恋とかそんな甘いものは必要ない。

必要なのは人形だけ。

人形のモデルだけ。


「お前もこれからは奈々には関わるな。もしまた奈々に何かされたら俺に教えろ」


それだけ言い終えると私を閉じ込めていた腕をゆっくり壁から離し私の体を自由にしてくれた。

どうやら話は終わったみたいだ。

自由になったのに、私の体はそこから動けないまま。

「やり過ぎたな。ま、掃除は業者かハウスキーパーに頼むさ」

バラバラになったドアの木屑を眺めながら詰まらなそうに呟く椎葉さんだが、私の耳にはそんな声すら届いてなかった。




椎葉さんを憎み、恨んでる私だから椎葉さんは手放さない。

椎葉さんが必要なのは憎しみと絶望に満ちた私の瞳だけ。

この屋敷に監禁されてる間、絶望は毎日のように感じてはいる。








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