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Dolls…
第8章 古傷



「いつまでもそんな格好じゃ風邪が振り返すぞ━━━っしゅん!って、俺も人の事言えねぇか」


斧を振り回して汗をかいたの椎葉さんのくしゃみが聞こえた。


私が椎葉さんを憎めば憎むほど椎葉さんの思う壺だ。

そして椎葉さんはまた、私にそっくりな人形を作る。



「お前に上着を貸した後、ずっと裸だったからな。俺もついでにシャワーでも浴びるか…」


私をその場に残し、木屑を足で避けながら部屋の外へと去っていく。

こっちはいろんな事が起こりすぎて別の頭痛に襲われていると言うのに…。



私は自分でも気づかないうちに椎葉さんを恨み憎んでいたのか?

そして、その憎しみが椎葉さんにとっては最高の材料になっていたのか…。


私は何も知らないままに…、知らないうちに…っ。




「あぁ、それと…、お前は気にしてるみたいだから一応言っとくが…」

「え…?」




私に背を向けたまま椎葉さんが私に何かを言おうとしている。

混乱した頭で椎葉さんに目をやると

椎葉さんの背中が見えてるだけ。




今更、私に何を言うの?

これ以上何か言われても、私の頭じゃもう理解出来ない。

既に理解の範疇を越してるんだから…。




「何ですか…?」

「俺は奈々を抱いてない」








………………っ?

…………………っ!?

━━━━━━━え?












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