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Dolls…
第9章 腕の中の宝物
誰があんな人の戯言なんかに耳を傾けるもんか…っ。

誰があんな人の…っ。

「…………っ」

何度も何度も思った事だけど、今でも切に願ってる。


人形になってしまえたら楽なのに…。

痛みも憎しみも何も感じない、壊れる時は一瞬で壊れてしまえる、そんな人形になりたい。

人形になれば、この締め付けられるような胸の痛みもなくなる。

人形になってしまえば…っ。





「いつまでそうしてるつもりだ?」






━━━━━━━っ!

1人の部屋に響いた声。

ガバッと起き上がり部屋の中を見渡すと…、私の目に飛び込んできたのは


「椎葉、さん…」

ドアにもたれる椎葉さんの姿。



「何ですか…?」

このパターンにももう慣れた。

椎葉さんはいつもこうやっていきなり部屋に入って来て私を驚かす。

いつもの事だ。

いつもの事だ、けど…。


今は、何と無く椎葉さんに会いたくなかった。

あんな台詞を聞かされた後にどんな顔をして話せばいいのだろうか。

「別に用って程のもんじゃねぇけど…、さっきはやり過ぎたと思って」


さっき…?

もしかして、斧で部屋のドアを壊したこと?


別に、ここは椎葉さんの屋敷だし、ドアを壊したのは椎葉さん本人だし、私には関係ない事だ。


「私には…、関係ありません」

「怖い思いをさせた」

確かに、斧の刃が見えた瞬間、殺されると思ったけど…


でも、その後の台詞で全ての出来事が吹っ飛んでしまった。


"奈々の事は抱いてない"

"愛してない女は抱かない"


椎葉さんを前にしてあの時の台詞が生々しく甦る。

思い出さないようにしたのに、椎葉さんを目の前にすると嫌でも思い出してしまう。





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