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Dolls…
第11章 人形の瞳は…

そう言えば、両親が私宛に荷物を送ったとか何とか、シュウちゃんから聞いたっけ。

東京に出て来てからも両親とは仲直りする切欠がなくて、ちょっとした連絡事項はシュウちゃんを通してた。



私の隣の住人にと言えば、確か中年のおばさんが1人で住んでたな。

引っ越しの挨拶をして以来そんなに話したこともないのに、いつまでも私が荷物を受け取りに来ないから心配してくれたんだ。



「それで、うちの両親に頼まれてシュウちゃんが…?」

それでわざわざ東京に来てくれたの?

うちの田舎から東京まで何時間とかかるのに、私の様子を見に来てくれたの?

「あぁ。だって眠れねぇぐらい心配してたんだぜ、お前の両親。俺、お前の職場まで行ったし」


…シュウちゃんには東京の私の職場の会社名まで教えてた。

それぐらいシュウちゃんとは何でも話せる関係だった。

お父さんとお母さん、そんなにまで心配してくれてるんだ。

普段は私の携帯に電話すらして来ない癖に…。


「そしたら、お前と仲良しだって言う…、何て言ったかな…。アズサちゃんとか言う子に聞いてさ…」

「梓に会ったの…っ!?」


シュウちゃん、私を探すために職場に行って梓に会ったんだ。

梓、今頃どうしてるかな…。

私の事、心配してくれてるのかな…。

シュウちゃんの口から梓の名前を聞いて、私の心は一気に懐かしさに包まれた。

梓だけじゃなくて、お父さんとお母さんの近況を聞かされて罪悪感すら感じた。


「無断欠勤が続いてみんな心配してるって。で、梓ちゃんがもしかしたらこの屋敷にいるのかもって言ってたから」


梓の前で、何度かこの人形屋敷の事を聞いてたし

私がこの人形屋敷に興味を持ってるって梓は気づいてたんだ。


「まさかこんな不気味な屋敷にお前がいるなんて思ってなかったけど、外にお前のものらしい自転車もあったし」



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