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Dolls…
第2章 運命











背筋が凍る。

まさか、ここは…。





ドクンッと心臓が高鳴り汗が一筋、頬を伝った。





「おかしな光に誘われて外に出てみれば、まさか我が家を盗撮とはな…」





ここは、まさか…

人形屋敷の中…?

それじゃ、今目の前にいるのは、この人形屋敷の主?





「女とわかってればスタンガンなんて手荒な物は使わなかったんだが…」



私の体に走ったあの激痛はスタンガンに寄るものだったんだ。



けど、今はそんなことはどうでもいい。

どうしよう、何て言い訳しよう。

まさか主に見つかるなんて…。


落ち着いた口調からして、想像してたようなシリアルキラーではなさそうだ。

拘束されベッドに寝転ぶ私を監察するかのように男は椅子に座りながらこちらを眺めている。

話せばわかってもらえるかも…。

部屋が真っ暗で表情が見えないだけに怒ってるのかすらわからないけど。


「あの…、私、このお屋敷の絵を描きたいと思って、それでつい…」

「この屋敷の絵?」

「はい。私、都心から来たんです。そこからでもこのお屋敷が見えてて、ずっと綺麗なお屋敷だなぁと思ってて、それで絵を…」

「わざわざ、都心から?」

「はい。私、美大志望なんです。だから…」


って、こんな言い訳をしても盗撮してたことに変わりはないのに。


「そう言えば、お前が倒れてたそばにこれが落ちてたな」

ふっと男の方を見ると、その手には私のスケッチブックが握られていた。

転んだ表紙に落としちゃったんだ。

「あの…、無断で撮影してごめんなさいっ!それは、私の大事なスケッチブックで…」


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