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Dolls…
第18章 パンドラの箱
パンドラの箱。
決して開けてはならない箱を開けてしまったパンドラ。
箱の中には恐怖と絶望がつまっていて、箱を開けたことによって恐怖と絶望が溢れ出てしまった。
そう。
決して開けてはいけなかったのに…。
「ふぅ…っ、くっ…」
「いい格好だな、椿…」
腕がちぎれそうに痛い…。
足も痛いし、肌に感じる外気が突き刺さるみたいに痛い。
「言っとくが、これは人形を作る為の行為じゃない。だから、俺の好きにさせてもらう」
「うっ、うぅ…っ」
言い返したいのに声が出ない。
あの拷問部屋に連れて来られた私は、腕を一纏めにされ天井からロープで吊るされている。
足は拘束されておらず自由だが、爪先が付くギリギリラインまで吊るされてるせいで上手くバランスが取れない。
口には数個の小さな穴の空いた丸い玉をくわえさせられベルトによって後頭部で固定されていた。
この玉のせいで声が発せられないのだ。
肌に感じる外気が冷たく痛いのは、服も下着も全て脱がされてしまったからだ。
その様子をいつもの如く椅子に座り楽しむ椎葉さんだが、立ち上がりゆっくり私のそばへ歩み寄った。
そして…
「━━━━━ぐっ、んぅっ!」
首元に激痛が走った。
椎葉さんが片手で私の首をグッと握り締めた。
そのせいで呼吸が出来なくなってしまった。
「うぅっ!うぐっ!」
「俺を探ろうとは、大した女だなっ!」
く、苦しい…。
息が出来ない…。
マウスピースの穴から呼吸しようとするが、こんな小さな穴からじゃ上手く息が吸えない。
「うっ、く…っ」
俯いた拍子にマウスピースの穴からだらりと唾液が伝い落ちる。