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Dolls…
第3章 人形遊び
今助けを呼べば確実に気づいてもらえるのに…、何で声が出ないの…?

どうして、ここまで来て…。




ドアに額を引っ付けながらそう考えた。

この屋敷に出入りしてる人間なんて信用出来ない。

あの声の主だってあの男の仲間かも知れない。



しばらくすると、窓の向こうからブロロッと大きなエンジン音が聞こえた。

何やら大型車が走り去るような音だ。



…今のは、トラックのエンジン音?

こんな山奥にトラックが何の用なの?

そう言えば、昨日麓で出会った女性が言ってたな。

ここにはたまに大きな不審なトラックが出入りしてて死体を運び出してるんじゃないかって話。

…あながち、嘘じゃないかも知れない。

そのうち、私も殺されて今のトラックで…。



諦めにも似た絶望が胸を支配する。

私はここで、誰にも看取られることなく、あの男の手で…。


そんなことを考えてた時だった。



ガチャ━━━━━━━「きゃあ…っ!」


額を押し付けながら寄りかかっていたドアが突如として開け放たれた。

急に開け放たれたドアに体重を預けてたせいか、私の体はそのまま前のめりになり倒れてしまった。

ただでさえ覚束無い足、踏ん張りが効かなかった。


「いっ…」

「…起きたか?」


その声にハッとして顔を上げると、そこには昨日の男が立っていた。

私は男の足元に倒れてしまったみたいだ。

男は相変わらず人形のような顔で私を見下ろしているが…


「ひ…っ」

「昨日はあのまま寝入っちまったみたいだからそっとしといたが、ぐっすり眠れたか?」

「…………………っ」


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