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Dolls…
第3章 人形遊び
ぐっすり眠れたか…?

その男の言葉に一瞬神経が苛ついた。


あんな酷いことをされて眠れるはずかない。

眠ったというよりショックのあまりゆっくりブラックアウトしたに近い。

「あんな事されて…、眠れるわけないでしょ…?」

「ま…、確かにそうだな。立てるか?」

痛みで立ち上がれないでいる私に手を差し出して来たが、こんな男の手、触れるはずない。

昨日、私をムリヤリ引き裂いたこんな手に…っ。

「さ、触んないでっ!」



━━━━━パンッ!



差し出された手を跳ね返すように拒絶した。

こんな奴に助けなんか乞わない。

「やれやれ。嫌われたもんだな。ま、当然か」

「ちょっと…、やだっ!離してっ!!」

はっきりと拒否の意思を表したのに、男はそんな事を気にする様子もなく私の体をヒョイと持ち上げてしまった。

そしてそのまま、再び私の体を室内へと戻し入れて行く。

「やだっ!降ろしてっ!!あんたなんかに大嫌いっ!!」

「"あんた"じゃない。椎葉 秋人。昨日自己紹介したはずだ」

「な…、だから何なのよっ!!」


こんな奴の名前なんか知らない。

こんな奴に触られてると思うだけで気持ち悪い。

髪の毛先にだって触れられたくないっ!

「離してっ!!離してってばっ!!」

「ったく。離してやるから暴れるな。落ちるぞ」


椎葉と名乗った男は私の体をゆっくりとベッドの上に降ろした。

でも、ベッドの上にだけは戻りたくなかった。

この部屋のベッドの上にいると嫌でも思い出してしまう。

昨日のあの忌まわしい出来事を。




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