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Dolls…
第3章 人形遊び
今なら手足は自由なんだからこの男を蹴り上げて逃げられる。

でも、昨日の痛みのせいで足が動かないし多分走れそうにもない。


「さっき、人形の受け取り業者が来た」

「え…?」

私をベッドに降ろすと、窓にもたれながら満足げに私を眺めている。

人形の受け取り業者?

さっきドア越しに聞こえていたあの声の主?

そう言えば、作品がどうのこうって会話が聞こえてたけど。


その時思い出したのは、あの女性が言ってた台詞。

この屋敷には不審なトラックが出入りしてるって言ってたけど、あれはこの人の作品を取りに来てた業者のトラックだったんだ。



「昨日、お前のあの表情や目付きを見て作った。業者の奴が誉めてたよ。最高にいい作品だって」

確かに、そんな会話も聞こえていたけど…、でもそれは…。

「その人形って、私の…」

「そう。お前がモデルと言ってもいい。あの生気のない目。絶望に打ちひしがれたあの死んだ目。俺がずっと作りたかった作品だよ」


…最悪だ。

たかが人形のモデルにしたいが為に私にあんな酷いことをしたんだ。

人形を作りたいが為だけに、あんな事を…。

この男は狂ってる。

頭がおかしい…。

そして、運が悪いことにたまたま私がこの男に捕まってモデルにされてしまったんだ…。




でも、これで私は解放してもらえるはず。

だって、ずっと作りたかった作品が出来たのだからもう私に用はないはずだ。

絶望と悲哀に満ちた表情をその手で作り上げる事が出来たのだから。

「…だったら、私はもう用済みでしょ?…帰る」

せっかく戻してくれたベッドの上だが、私は体を反転させてベッドから降りようとした。


早く帰らなくちゃ。

今何時かはわからないけど、仕事だって行かなくちゃ。

無断欠勤なんかしたら迷惑かけるし梓だって心配するだろうし。

そうだ、パンクした自転車も置きっぱなしだった。

この体であの自転車を押しながら下山なんてさすがにきつい。

…いいや、どうせリサイクルショップで買った安物だし、このままここに置いて帰ろう。





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