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Dolls…
第21章 あなたが教えてくれた
━━━━━━ガチャ、キィッ…。
私の声に反応するかのようにドアがゆっくりと開く。
せっかく作ってくれたお好み焼きを残したことを謝ろうとドアの方へと目を向けると
「まだ起きてたのか?」
「…………………っ!?」
な…っ!?
心臓が止まりそうになった。
開いたドアから見えたその姿は…、安藤さんじゃなくて…。
「し、椎葉さ…っ」
ベッドの上、膝を立てながら体育座り状態だった私はあまりの驚きで座った状態からベッドに倒れそうになってしまった。
…さすがにそこまで器用な事は出来ず、体がビクッと跳ねただけだが。
「寝てると思って一応ノックしたんだが…」
完全に油断していた。
椎葉さんがノックをして部屋に入ってくるなんて珍しい。
いつもは私の返事も聞かずに勝手に部屋に入ってくる癖に…。
「な、何ですか…?」
でも、どうしよう…。
椎葉さんの顔が見れて嬉しいはずなのに、今朝の事があったせいか気まずくて椎葉さんの顔がまともに見れない。
嬉しい半面、気まずくて
心臓がうるさいぐらいにドキドキ言ってる…。
「さっき尚人に聞いた。あいつが食事を持ってきたらしいな。それの後片付けだ」
「え?あぁ…」
そっか。
安藤さんが持ってきてくれたお皿を引きに来てくれたのか…。
本来なら私が片付けるべきなんだろうけど、そんなところまで頭が回らなかった。
考えなきゃいけないことが多くて。
すると、椎葉さんは何事もなかったかのように部屋の中へと入ってきてベッドの傍のテーブルに近づいてきた。
それはつまり、私との距離も近づくと言うこと。