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Dolls…
第22章 遠い街角
「帰りにどっかで朝ごはん食べよっか?カフェのモーニングとか」
安藤さんの手がドアノブにかかり、ドアが少し開いた。
その瞬間、ドアの隙間から朝日が差し込んでくる。
私、本当にこの屋敷から出て行くんだ…。
自分で望んだことなのに、どうしてこんなに辛いんだろう。
だけど、ここから出ればこんな想いもいつか消えてくれる。
こんな辛い想いもいつかは忘れ過去のものになってくれる。
「おぉーっ!マジにいい天気だーっ!」
私の足がこの屋敷から一歩踏み出そうとした。
さようなら、椎葉さん。
「椿っ!!」
「━━━━━━っ!?」
「あれ?秋人?」
背後から聞こえた声は私の心を鷲掴みにした。
それは、椎葉さんの声。
だけど、今は1番会いたくない人で聞きたくない声だった。
椎葉さん…?
椎葉さんっ!?
振り返ると、そこにいたのは玄関ホールの階段の上から私の名前を叫ぶ椎葉さんの姿だった。
いつもみたいに白いカッターシャツと黒いズボンを着た、人形の顔をした悪魔のような椎葉さん。
「し、椎葉さん…?」
空中で私と椎葉さんの目線がぶつかる。
私と目が合った瞬間に椎葉さんは私の方へと駆け足で歩み寄って来た。
駆け足で階段を降りながら息を切らせて…。
「秋人のやつ、仕事とか言ってた割りには…。素直じゃねぇな」
どうして…?
何でここに椎葉さんが…?
仕事で忙しいと言って挨拶すら拒んだんじゃないの?
どうして…?
私には何の興味もないって言った癖に何で見送りなんて…。
安藤さんの手がドアノブにかかり、ドアが少し開いた。
その瞬間、ドアの隙間から朝日が差し込んでくる。
私、本当にこの屋敷から出て行くんだ…。
自分で望んだことなのに、どうしてこんなに辛いんだろう。
だけど、ここから出ればこんな想いもいつか消えてくれる。
こんな辛い想いもいつかは忘れ過去のものになってくれる。
「おぉーっ!マジにいい天気だーっ!」
私の足がこの屋敷から一歩踏み出そうとした。
さようなら、椎葉さん。
「椿っ!!」
「━━━━━━っ!?」
「あれ?秋人?」
背後から聞こえた声は私の心を鷲掴みにした。
それは、椎葉さんの声。
だけど、今は1番会いたくない人で聞きたくない声だった。
椎葉さん…?
椎葉さんっ!?
振り返ると、そこにいたのは玄関ホールの階段の上から私の名前を叫ぶ椎葉さんの姿だった。
いつもみたいに白いカッターシャツと黒いズボンを着た、人形の顔をした悪魔のような椎葉さん。
「し、椎葉さん…?」
空中で私と椎葉さんの目線がぶつかる。
私と目が合った瞬間に椎葉さんは私の方へと駆け足で歩み寄って来た。
駆け足で階段を降りながら息を切らせて…。
「秋人のやつ、仕事とか言ってた割りには…。素直じゃねぇな」
どうして…?
何でここに椎葉さんが…?
仕事で忙しいと言って挨拶すら拒んだんじゃないの?
どうして…?
私には何の興味もないって言った癖に何で見送りなんて…。