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Dolls…
第22章 遠い街角
タクシーを見送った後、私は安藤さんに連れられてオートロック式の正面玄関を抜けて…
そのままエレベーターに乗るのかと思いきや…、エレベーターを素通りして1階の奥へ奥へと進んでいく。
「…1階に住んでらっしゃるんですか?」
「うん。下の階の奴に気を使うのが嫌だから。ごめんね、最上階じゃなくて」
「いえ、そんな…」
別にこんな豪華なマンションだから最上階に行きたかったとかではない。
さっきも言ったけど、椎葉さんと離れた今はどんな部屋に誰と住もうがどうでもよかった。
安藤さんの手を取ったくせに、私の心は半ば諦めてる。
半ば死んでる。
それは、さっきから私に微笑みかけてくれる安藤さんの優しさを無下にしてるのと同じ事なのに。
部屋が数個連なる廊下を歩いて、連れて来られたのは1番奥の角部屋。
左右の部屋の住人に気を使いたくないからだろうか?
そういうところは椎葉さんと似てるんだ。
私は2階建のアパートの2階に住んでいて、左右の部屋には既に住人が住んでいる。
独り暮らし専用アパートだから特に迷惑とかはかかってないし、気は楽な方だけど。
ジーンズの後ろのポケットから鍵を取り出しドアノブの鍵穴に差し込みそのまま右に回すと
カチャ…、という錠の開く音が聞こえた。
キィッと開かれた部屋のドア。
「さ、どうぞ」
ドアを開けて、まるでエスコートでもするかのように私を部屋の中へ招き入れようとしてくれている。
「…お邪魔します」
でも、正直こんな高そうなマンションの部屋に入れるなんてまたとない機会だし、せっかくだからどんなエクステリアかぐらいは見ておこう。
…なんて、そんなミーハー心が疼いた。
そのままエレベーターに乗るのかと思いきや…、エレベーターを素通りして1階の奥へ奥へと進んでいく。
「…1階に住んでらっしゃるんですか?」
「うん。下の階の奴に気を使うのが嫌だから。ごめんね、最上階じゃなくて」
「いえ、そんな…」
別にこんな豪華なマンションだから最上階に行きたかったとかではない。
さっきも言ったけど、椎葉さんと離れた今はどんな部屋に誰と住もうがどうでもよかった。
安藤さんの手を取ったくせに、私の心は半ば諦めてる。
半ば死んでる。
それは、さっきから私に微笑みかけてくれる安藤さんの優しさを無下にしてるのと同じ事なのに。
部屋が数個連なる廊下を歩いて、連れて来られたのは1番奥の角部屋。
左右の部屋の住人に気を使いたくないからだろうか?
そういうところは椎葉さんと似てるんだ。
私は2階建のアパートの2階に住んでいて、左右の部屋には既に住人が住んでいる。
独り暮らし専用アパートだから特に迷惑とかはかかってないし、気は楽な方だけど。
ジーンズの後ろのポケットから鍵を取り出しドアノブの鍵穴に差し込みそのまま右に回すと
カチャ…、という錠の開く音が聞こえた。
キィッと開かれた部屋のドア。
「さ、どうぞ」
ドアを開けて、まるでエスコートでもするかのように私を部屋の中へ招き入れようとしてくれている。
「…お邪魔します」
でも、正直こんな高そうなマンションの部屋に入れるなんてまたとない機会だし、せっかくだからどんなエクステリアかぐらいは見ておこう。
…なんて、そんなミーハー心が疼いた。