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Dolls…
第3章 人形遊び
「誰があんたなんかの…」

男は昨夜と同じように私の体の上に覆い被さり、重力を利用するかのように私の両腕を押さえつけて来る。

これじゃ身動きが取れない。

男はそのまま私の事を見下ろしている。

真っ黒な髪の毛、前髪の隙間から見える冷めた瞳。


「さっきも言っただろ?俺の名前は秋人。椎葉 秋人だ。いい加減覚えろ、水野 椿」

昨日から幾度となく聞かされてるんだから嫌でも覚えてる。

ただ、私の口からこいつの名前を紡ぎたくないだけだ。

こいつに名前を呼ばれるのも嫌だけど。


「まぁ、いい。ここは俺の屋敷だ。お前はこの屋敷からは出られない」

「はぁ?」

「今日からここがお前の家だ」

「な、何ですって…っ!?」



その申し出にさすがの私も面食らってしまった。


この男、狂ってるを通り越して頭のネジが吹っ飛んでるんじゃないのっ!?

どうして、私がこの屋敷に住まなきゃならないの?

私にはちゃんと帰る家があるし待ってくれてる人もいるんだ。

それに、ここに住むと言うことはこの男と一緒に暮らすと言うこと。

この男のいいようにされると言うことだ。

「か、勝手に決めないでっ!!この変態っ!」

「どんなに抗ってもお前に拒否権なんてない」

「…っ!!」



…こんな、奴に。

こんな奴に好き勝手にされるくらいなら、噂通り殺されてしまった方がマシだ。

悔しくて、腹立たしくて、抵抗する気力すらなくなる。



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