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Dolls…
第3章 人形遊び
そんな私の目の前に飛び込んで来たのは
男が置いて行った人形の写真。
簡単に見えないように、勿体つけるように裏返しの状態でベッドに置かれていた。
私をモデルにしたという人形…。
…あいつが昨日作った人形ってそんなに価値があるものなの?
さっきの業者の人は絶賛してたけど、私には人形の違いなんてわからない。
っていうか、フランス人形なんてたった一晩で作れるもんなの?
ふっと私をモデルにしたという人形が気になった。
私の顔の隣に置かれた写真。
あの男が置いて行った私をモデルにしたという人形の写真。
……見たくなんかない。
でも、あの男は私をモデルに一体どんな人形を作ったというのだろう。
怖いもの見たさか、好奇心か…、私は震える手で恐る恐る写真を手に取った。
まるで、殺人現場の写真でも見るかのように…、ゆっくりと。
カサ……ッ
「こ、れ━━━━━━━」
そこに写っていたのは、一体のフランス人形。
座らせた状態で、頭の先から足の先まで全てを収めた写真だった。
その写真に写ってる人形を見た瞬間、私は息を飲んだ。
と、同時に
先程までの怒りと恐怖が少しだけ和らいだ。
「これ…、私がモデル…?」
真っ黒なロングヘアーに白い肌。
瞳の色はブラウンで、その瞳は何故か、何処と無く悲しげに憂いを帯びていた。
でも、この部屋にある人形とは何かが違う。
今にも泣き出しそうな瞳…。
目が、釘付けになってしまった。
これ、本当に
私がモデルなの…?