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Dolls…
第24章 秘密の人形
「……わかりました」
椎葉さんのお母さん…。
ずっとずっと知りたかった。
椎葉さんのお母さんの事…。
椎葉さんに聞いてもはぐらかされて…、安藤さんに聞いても結局教えてくれなくて
いろんな事が起こりすぎて今の今までずっと忘れてた。
だけど、本当は知りたかった。
心の何処かで知るのが恐くてずっと目を反らしてたけど…。
でも、椎葉さんの苦しみを少しでもわかってあげたかった。
もう会うことのない、私の愛しい人…。
部屋に戻りベッドに座りながら安藤さんが来るのを待った。
私が引っくり返した料理を片付けてるのだろうか、もう随分待ってる気がする。
椎葉さんのお母さんの事を教えるなんて言っときながら本当は教えてくれる気なんかないんじゃないかな?
またいつものように私の事をからかってるだけじゃないのかな?
椎葉さんのお母さんの事、知ったところで私はどうしたいんだろう…。
もう…、声も聞こえないぐらい遠い人なのに…。
静かな部屋で1人で考え込んでいると嫌な考えばかりが脳裏を過る。
まさか…、とか、もしかしたら…、とか。
これ以上悪い方向になんて進みようがないのに。
張り裂けそうな胸の鼓動を押さえながらそわそわしながら安藤さんを待った。
そして、ついに
━━━━ガチャ…「お待たせ」
「━━━━━っ!!」
両手にマグカップを持った安藤さんが笑顔で私の部屋にやって来た。
「…………っ」
「そんな怖い顔で睨まないでよ。あったかいコーヒー淹れて来たよ」