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Dolls…
第25章 最後の真実
「秋人っ!?」
安藤さんの声は私の部屋にまで届いた。
その名前を聞いただけで私の心はハッとした。
椎葉さん…っ!
椎葉さんがここにっ!?
う、嘘…。
でも、まさか本当に…っ?
「椿ーっ!!どこだ椿っ!!いるなら返事しろーっ!!」
大声で叫びながら私を捜し回る椎葉さんの声が聞こえる。
その声は徐々に大きくなっていく。
ゆっくりゆっくりこの部屋に近づいてきてるということだ。
本当に…?
本当に椎葉さんなの?
夢じゃないよね…?
この声は夢や幻なんかじゃないよね…?
だけど、どうして椎葉さんがここに?
もう2度と会えないと思ってたのに…。
「椿ーっ!!」
でも、夢でもいい。
幻でもいい。
もう1度、椎葉さんに会いたいっ!
「━━━━━椎葉さぁぁぁぁぁんっ!!!」
力の入らない体に鞭を打ちありったけの力を振り絞って椎葉さんの名前を叫んだ。
その声に反応したかのように騒々しい足音がこの部屋に近づいてくる。
そして…
「椿っ!!」
この部屋に飛び込んで来た人物。
息を切らせながら切羽詰まったような表情で私の元に駆け付けてくれた人物は…。
「し、椎葉さ…」
そこには…、宅配業者の制服を着た椎葉さんの姿があった。
な、何でそんな服なんか着てるの…?
とうとう宅配業者の顔までが椎葉さんに見えるほどに壊れて来たのかな、私。
これは、夢…?
夢に決まってる…。
こんな出来すぎたタイミングで椎葉さんが私を迎えに来てくれるわけがない。
これは、絶対夢だ…。
「椿っ!!大丈夫かっ!?」
ベッドに横たわる私に近づくと、私の肌を隠すように脱がされたジャージで優しく私の素肌を覆い隠してくれた。