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Dolls…
第25章 最後の真実
「…………っ!」

椎葉さんの胸の中で私は2人の会話を黙って聞いていた。

だけど、椎葉さんからすればいい気はしないはずだ。



私の傲慢な好奇心で椎葉さんの過去を知ってしまった。

椎葉さんからすればそんな暗い過去は忘れて終いたかったはずだ。

なのに、私が勝手に気になって…、挙げ句に安藤さんの口から全てを聞き出してしまった。

忘れ去りたい自分の過去を勝手に他人に探られて…、きっと椎葉さんは怒ってる。

私の身勝手な好奇心で椎葉さんの過去を調べたこと。




「お前の父親が仕事人間で…、母親が亡くなったことも何もかも、全部椿ちゃんに教えてやったよっ!!」






最後の悪足掻きのように、盛大に笑いながら白状した安藤さん。

椎葉さんの胸の中で己を恥ながら、怒られても仕方ないと覚悟を決めた。

今度こそ本当に嫌われてしまう…。

ここから助け出そうとしてくれてる椎葉さんを傷つけてしまったのだから。



椎葉さん…っ。

椎葉さんの腕をギュッと握り締めると…。

















「尚人、お前はまだ何も知らない」

















━━━━━━…?






「……は?」

椎葉さんの口から発せられた言葉は…、私が予想していた言葉とは全く違うものだった。

怒られると覚悟を決めてただけに…。



っていうか、何も知らないって?

何も知らないって、一体何の事?

やっぱり安藤さんが話してくれた話しは嘘?

作り話だったとか…?

いや、そんなはずはない。


だけど、今の椎葉さんの言葉の意味って…?


椎葉さんの腕に抱かれながらキョトンとしていると、椎葉さんは更に続けた。

安藤さんもその場で驚いたような表情を見せている。






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