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Dolls…
第4章 瞳の奥
「ベタベタだろ?洗ってやる」
「ちょ…」
男はフォークを握っている私の手を掴み、果汁がついた指にチュッと唇と舌を這わせてきた。
こんな奴に…、と思ったが
手に唇を這わせ伏し目になってるこの男の表情が綺麗で、時間が止まった気がしたのだ。
金縛りにでも遭ったみたいに体が動かない。
このフォークで刺してやることだって出来るのに…っ。
「口にも着いてる」
「あ━━━━」
手、指の果汁を吸い付くし今度は私の口許に近付き唇付近の果汁を舐め取って行く。
「やっ」
「動くなよ」
ギリギリ、唇に触れるか触れないかの距離。
あ…っ、こんな奴にこんな事をされるなんて屈辱的なはずなのに
どうしてか、胸が高鳴って痛い。
心臓がうるさいぐらいにドキドキする。
視線を落とすと、男の胸元が見えた。
白いカッターシャツの胸元から見える鎖骨。
チュッ…
ダメ…。
頭がクラクラする。
何も考えられなくなりそう。
「いい表情だ」
顔を真っ赤に紅潮させ目を潤ませた私の表情を満足げに見つめてる。
こんな顔、見られたくない…っ。
顔を反らそうとしたが、まるでガラス細工のような男の瞳に吸い込まれるような、そんな気がして
目を離せないでいる。
「今日は何もしないでやるつもりだったが…」
「な、何を…━━━━━━んっ!」
男の瞳が間近に迫った、と思った瞬間
昨晩と同じ感覚が唇に伝わってきた。
あの熱くて、頭の芯から溶けてしまいそうなあの感覚。
「んっ、ん」