この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Dolls…
第26章 Dolls…
ここに住んでた頃はこの玄関ホールは何度も見てたし、今更驚きもしないけど…
よくよく考えたらこの玄関ホールをくぐって椎葉さんの屋敷に入るのは初めてかも知れない。
いや…、初めてだ。
ここに初めて来た時は椎葉さんにスタンガンで襲われて、気付けばこの屋敷の一室に監禁されてた。
それが全ての始まり。
そして、安藤さんの手に寄ってこの屋敷から出て行くときはこの玄関ホールから出て行った。
…普通は逆だ。
この玄関ホールから出て行った事はあっても、入るのは今日が初めて。
「くすくす…」
「変な奴だ。…すっかりびしょ濡れだ。先にシャワーでも浴びるか?って、お前はその体だしな…」
あ…、そう言えば私も椎葉さんも既にびしょ濡れだ。
車を駐車させてからここまでそんなに距離はなかったはずだけど、この豪雨じゃびしょ濡れになっても仕方ない。
私はまだ動けそうにないし、このままじゃ椎葉さんが風邪ひいちゃうし。
「だったら、椎葉さんが先に」
「え?」
「私は別に━━━━」
そう言って椎葉さんの顔を見上げると…
━━━━━ドクンッ!
あ…、やだ…っ。
何か…、私の心臓がおかしい…。
「そうも行かねぇだろ?お前だってびしょ濡れだし」
いつもはしっかりとセットしてる椎葉さんの前髪が…、雨に濡れたせいで前下がりに垂れてしまってる。
そして、髪を伝い雨の雫がぽたぽたと滴り落ちている。
そんな椎葉さんを見てるだけで、何だか…、胸が締め付けられそうなほどにドキドキと高鳴っていた。
「椿…?」
真っ赤に染まる顔を見られたくなくて思わず俯いてしまった。
そんな私を心配して椎葉さんが私の名前を呼んでくれた。
よくよく考えたらこの玄関ホールをくぐって椎葉さんの屋敷に入るのは初めてかも知れない。
いや…、初めてだ。
ここに初めて来た時は椎葉さんにスタンガンで襲われて、気付けばこの屋敷の一室に監禁されてた。
それが全ての始まり。
そして、安藤さんの手に寄ってこの屋敷から出て行くときはこの玄関ホールから出て行った。
…普通は逆だ。
この玄関ホールから出て行った事はあっても、入るのは今日が初めて。
「くすくす…」
「変な奴だ。…すっかりびしょ濡れだ。先にシャワーでも浴びるか?って、お前はその体だしな…」
あ…、そう言えば私も椎葉さんも既にびしょ濡れだ。
車を駐車させてからここまでそんなに距離はなかったはずだけど、この豪雨じゃびしょ濡れになっても仕方ない。
私はまだ動けそうにないし、このままじゃ椎葉さんが風邪ひいちゃうし。
「だったら、椎葉さんが先に」
「え?」
「私は別に━━━━」
そう言って椎葉さんの顔を見上げると…
━━━━━ドクンッ!
あ…、やだ…っ。
何か…、私の心臓がおかしい…。
「そうも行かねぇだろ?お前だってびしょ濡れだし」
いつもはしっかりとセットしてる椎葉さんの前髪が…、雨に濡れたせいで前下がりに垂れてしまってる。
そして、髪を伝い雨の雫がぽたぽたと滴り落ちている。
そんな椎葉さんを見てるだけで、何だか…、胸が締め付けられそうなほどにドキドキと高鳴っていた。
「椿…?」
真っ赤に染まる顔を見られたくなくて思わず俯いてしまった。
そんな私を心配して椎葉さんが私の名前を呼んでくれた。