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Dolls…
第26章 Dolls…

ただ、私はこの部屋のある違和感に気づいた。


「どうした?何をそんなに見てるんだ?」

「いえ、別に…」




辺りを探すかのようにキョロキョロと見渡すが、やはり私が感じた違和感は正しかったようだ。



この部屋には、人形がない。



私に貸してくれてた部屋も相当広くて綺麗だったが、至るところに人形が飾られていてちょっと不気味だった。

しかし、この部屋には人形が1体も置かれていなかった。

椎葉さんの自室なのだからそれこそ所狭しと人形が並べられてても可笑しくないのに…、1体も見当たらない。

それこそ人形の欠片すら見当たらないのだ。



どうして…?

不思議に思いながら尚も辺りをキョロキョロと見渡しながら人形の陰を探していると







「ここには人形は置いてない」

「━━━え?」











私の考えを見透かしたように椎葉さんの声が聞こえた。

心を読まれたような気がして、驚きのあまり椎葉さんの方に目を向けると

椎葉さんは私のすぐ隣に腰を降ろした。

びしょ濡れになった服を着替え白いワイシャツに黒のズボンという出で立ちで。


「…どうして、ですか?」


人形師の椎葉さんの部屋に人形がない。

他の部屋にはいっぱいあるのに。

私の部屋や安藤さんが泊まってた部屋にもたくさん飾られてたのに、どうしてこの部屋には…?



すると、椎葉さんは私の目の前に自分の握り拳を差し出してきた。

「…これは?」











「俺の母親だ」











握り拳を広げると、そこには綺麗な鼈甲で出来た丸いロケットが握られていた。

ロケットの蓋は広げられていて中には女性の写真が嵌め込まれていた。





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