この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Dolls…
第26章 Dolls…
離れたくない。
椎葉さんから、離れたくない…。
ここにいたい…。
椎葉さんのそばにいたい…。
「私は…、椎葉さんのそばにいたいんです…」
何があっても、どんなことになっても私は椎葉さんのそばにいたい。
椎葉さんのそばにいると決めたの。
この寒くて冷たい屋敷で1人で凍えてる椎葉さんのそばにいたい。
暖めてあげたい。
これ以上、椎葉さんを1人にしない…っ!
「…離れろ。俺はお前に何も━━━━」
「だったらどうして…、私を迎えに来てくれたんですかっ!?」
「……そ、それは」
安藤さんのマンションに連れて行かれた時、私が安藤さんと暮らしてると勘違いして私を迎えに来てくれた。
私を手放すつもりだったらそのまま放って置いてくれてよかったじゃない。
なのに、どうしてあんなに必死に私を探して迎えに来てくれたの?
「私は…、何があっても椎葉さんのそばを離れないって言ったじゃないですかっ!なのに、ここを出て行けとか勝手な事ばかり言わないで下さいっ!私の人生を勝手に決めないで下さいっ!」
椎葉さんの過去に何があっても私は椎葉さんのそばを離れない。
あれだけ逃げたいと思ってた酷い人なのに、まさか私からこんな事を思うなんて夢にも思わなかった。
いつの間にか私の中で椎葉さんの存在がこんなにも大きなものになっていたなんて。
「椎葉さんの過去に何があっても、椎葉さんがどんな人でも、私には関係ありませんっ!私は、今の椎葉さんが好きなんです…」
「椿…」
「例え、何回振られても椎葉さんの事が…っ」
そう。
どれだけ拒絶されて振られたとしても、椎葉さんの事が好きで、大切で…
凍える椎葉さんの心と体を暖めてあげたい、と
心の底からそう思った。