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Dolls…
第4章 瞳の奥
「あっ、く…」

重力に従うように縄に全体重がのしかかって、縄が肌に食い込んで痛い。

いくらロングのドレスを着ていてもこの体勢じゃスカートの中が見えてしまう。

さっきの部屋より薄暗くて、何の装飾も機材も置かれていない牢獄のような部屋。

あるのはこの縄と簡易的なベッドと、壁にかかった怪しい凶器のような道具だけ。



…い、痛い。

どうして…?

私、何か悪いことした…?


「下ろして…、痛い…っ」

「モデルなんだから我慢してろ」


そう言うと、椎葉さんは再びカメラを構え私の姿をフィルムに収めて行く。

「いや…っ、やめてっ!」

こんな格好、撮らないでっ!

こんな情けない姿…っ。

顔を反らそうとしたが、その反応すら椎葉さんは楽しんでるようだった。

「その恥じらう姿がどれだけ俺を駆り立ててるかわかってんのか?」


身体中の関節が悲鳴を上げている。

体を少し揺らしただけで腕が千切れそうになる。

しかし、その苦痛に歪む表情すら椎葉さんはカメラに収めて行く。

どんな瞬間すら逃すことなく。


薄暗い部屋に響くシャッター音とフラッシュの光。


…とにかく、早く終わって欲しいとそれだけを願った。

大人しくしてればすぐに終わる。

腕の感覚が麻痺して何も感じなくなったが、その方が都合がいい。

痛みはなくなったし、早く終わって━━━━━。


拷問のような時間を必死に耐えた。

たかだか数分の間ですら今の私には永遠に感じた。


「…………………っ‼」


早く終わってよ…、お願いだから。





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