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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第4章  【弐】
「と、殿ォ」
 浪江がまろぶようにして嘉宣に駆け寄った。
「どうしたのだ、外は雪でも降りそうだというのに、汗をかいているぞ?」
 揶揄するように言った嘉宣に、浪江は縋るようなまなざしを向けた。
「どうか、お方さまをお止め下さりませ」
「何だ、一体何があったというんだ」
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