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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第6章  【四】
 それは、どんなときでも、けして諦めない橘乃の気性を物語っていたが、周囲の眼には違う印象を与えたようだ。
―太ぇアマだ。ご母堂さまの暗殺などと、大それたことを企てておきながら、よくもあのように悪びれず平気な顔をしておられるものよ。しかも、己が生命は風前の灯火というに、三度の飯も残さず平らげる。並の神経では、できぬことよ。
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