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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第7章 【終章】
 今年、宣照は三十を迎えた。
「前日も昨日も今日も見つれども 明日さえ見まく欲しき君かも」
 宣照が恋の歌をなぞる。ずっと昔、最愛の女に贈った恋の歌。
 彼の声はしばらく宙を漂っているようであったが、やがて儚く散っていった。

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