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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第3章 【壱】
 庭の片隅に橙色の花が群れ固まって咲いていた。まるで暮れゆく空の色をそっくりそのまま写し取ったような夕陽の色。
 そういえば、と、橘乃は今更ながらに思い出していた。照姫さまのお居間から見渡せる庭にも金盞花がきれいに咲いていた。もっとも、姫さまのお庭のお花は、橙色ではなく黄色だったけれど。
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