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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第4章  【弐】
「ここだな」
 嘉宣が納得したように一人で頷き、先刻と同じ場所を指で強く押す。すると、橘乃は更に腰をくねらせ、喘いだ。
「殿、もう―」
「ん? 何がもうなのだ?」
 嘉宣が貌を近づけると、橘乃は潤んだまなざしを向けて訴える。
「もう、許して。苦しくて―たまらない」
「嘘をつけ。苦しいのではなく、気持ち良すぎてたまらないんだろう?」
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