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【Jazz Bar『Dance』 作品メモ】
第3章 花火の夜(短編集)
【花火の夜 ~庵原と詩織~】
花火の夜。
河川敷は、場所取りをしている家族連れやカップル、友達同士のグループで、どこもかしこも賑わっていた。
蒸し暑さが残る8月の最終土曜日。
庵原は、浴衣で歩みの遅い詩織に合わせて、いつもよりゆっくりと土手上の道を歩きながら、川と反対側に並ぶ屋台を物色していた。
「詩織ちゃん、平気?」
振り返る庵原に微笑んで頷く彼女は、長い髪をアップにして簪で止めている。
優しい濃紺の生地に、淡い青と紫の朝顔が描かれた浴衣は、彼女の白い肌に映えていた。
出来ることならば庵原も隣に立って歩きたかったが、打ち上げまで1時間をきった今、二人が歩いている道は、交差する人や待ち合わせで立ち止まる人々でごった返し、手を繋いで共に進むのがやっとだ。
花火の夜。
河川敷は、場所取りをしている家族連れやカップル、友達同士のグループで、どこもかしこも賑わっていた。
蒸し暑さが残る8月の最終土曜日。
庵原は、浴衣で歩みの遅い詩織に合わせて、いつもよりゆっくりと土手上の道を歩きながら、川と反対側に並ぶ屋台を物色していた。
「詩織ちゃん、平気?」
振り返る庵原に微笑んで頷く彼女は、長い髪をアップにして簪で止めている。
優しい濃紺の生地に、淡い青と紫の朝顔が描かれた浴衣は、彼女の白い肌に映えていた。
出来ることならば庵原も隣に立って歩きたかったが、打ち上げまで1時間をきった今、二人が歩いている道は、交差する人や待ち合わせで立ち止まる人々でごった返し、手を繋いで共に進むのがやっとだ。