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【Jazz Bar『Dance』 作品メモ】
第3章 花火の夜(短編集)
エアコンで除湿している寝室は、暑くもなく寒くもない。

それでも健二は額にうっすら汗をかきながら目を閉じている。

「健二? 寝てる…?」

小さな声で尋ねながら、ベッドに腰掛けてトレイをサイドボードに置いた。

お粥は、まだ少し湯気が出てる。

少し冷ました方がいいかな。

トレイの上のタオルを取って綺麗にたたむと、お粥を待つ間に、健二の額を、そっと拭った。

薄暗い寝室で、改めてマジマジと健二の顔を見ると、そこそこイケメンなんだな…と感じたりする。

それとも、好きだからイケメンに見えてるのかな。

ちょっと睫毛が長いとか、鼻筋が細いとか、上唇が下唇より少し薄いとか…。

どこか冷静に観察しちゃうけど、色っぽいとは、感じるんだよね。

「……色気、かぁ」

思わずポツリと呟いた声に、釣られるように健二が目を開けた。

「色気?」

「……!」

怠そうな態度なのに、でも、確実に起きてたっぽい、その声に、反射的に額から引っ込めようとした手首を掴まれる。

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