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夢見桜~ゆめみざくら~
第1章 夢見桜
 吟は一馬から身を離すと、深々と頭を下げた。最後にこのひとに逢えて良かったと心から思う。兄のように優しく見つめてくれたひとだった。一馬の存在がどれだけ、心を温かくしてくれたか知れない。
「どうか、お元気で」
 行こうとする吟の背に、一馬の声が追いかけてきた。
「お吟、本当に行くのか?」
 哀しげな声だった。
「どこにおりましても、吟は一馬さまのお幸せをお祈りしております」
 吟はもう一度頭を下げて、今度こそ一馬に背を向けた。その華奢な背中には揺るぎない決意が表れている。一馬が唇を噛んで、その場に立ちつくしていた。その顔は蒼白で、眼には暗い翳(かげ)が宿っている。
 物言わぬ桜だけがそんな二人を見つめていた。その樹の下で見た夢は必ず現になるという夢見桜。桜は吟のゆく先に何を見ているのだろうか―。
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