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ふにゃふにゃ
第1章 始まり
「う、わっ!ちょっと、待った!!」
「どうしてですか?」
やっと我に返った慎太郎は、ブラウスの中に入った手を引き抜こうとしたが、世那がそれを止める。
「おかしいだろ?君とは初対面なんだ。しかも、蹴飛ばしてるし…ひ、一目惚れとか…俺をからかってるんだろ?」
「私、からかう目的でキスしたり、触らせたりしませんよ」
にっこりと笑う世那に、嘘を言っている感じはない。
慎太郎は今やっと正面からまともに世那の顔を見たが、自分とは対照的にかなり可愛い。
こんな子が、自分を一目惚れとか…あるのか?と疑いが拭いきれない。
「……だから、ドキドキしている事を確かめて欲しくて直接、触って欲しかったんです。その後は、お任せですが…」
恥じらいながら、とんでもない事を言う世那にドキッとした慎太郎だが、思いなおす。
「とにかく!もう、予鈴が鳴るし、この話は後でしよう」
これ以上、触って貰えないと分かった世那は、分かりやすく残念そうに眉を下げた。
「分かりました。では…」
「っ!!」
『分かりました』の言葉に安堵した瞬間、再び唇を奪われた慎太郎。
「約束のキスです。早く慎太郎さんと、二人きりになりたいです」
素直に喜んでいいのか分からない慎太郎の顔には苦笑が浮かぶだけだった。
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