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ふにゃふにゃ
第1章 始まり

避けられる事はあっても、なつかれる事は、強さに憧れ慕ってくる男共ばかり。

初めてのパターンだし、相手は女の子だ。

しかも、かなり積極的。

慎太郎のファーストキスは
呆気なく奪われた。


「彼女が男と並んで歩いている姿なんて初めて見たぜ。本当に何したんだよ、慎太郎」


デコピンをした額を擦りながら雅史が戻って来た。口を尖らせ不満顔だ。


「何した…されたのは俺だ。いや、今日初めて喋ったんだぞ?彼女のことだって知らなかったんだ」


「された?っていうか、世那ちゃん知らないとか…終わってるぞーっ!」


嘆く雅史は
面倒なので無視する。

本当に嘆きたいのは、自分だと訴えたいが聞き入れて貰えない悩みだろう。



キーンコーン…


「よし、今日はここまで。復習しとけよ」


「……え?」


ザワザワと、一気に教室内が騒がしくなった。先生も教材を片付け教室を出て行く。

悶々と考え込んでいる間に、授業が終わっていたらしい。


「…マズイだろ」


どんな授業の内容だったか全く記憶にないこともそうだが、今は世那だ。

世那が来てしまう。


「逃げる…か」


そう決め、立ち上がるが時は既に遅し…のようだ。


「慎太郎さん!」


満面の笑みで世那が、行く手を塞いでいた。


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