この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ふにゃふにゃ
第1章 始まり
避けられる事はあっても、なつかれる事は、強さに憧れ慕ってくる男共ばかり。
初めてのパターンだし、相手は女の子だ。
しかも、かなり積極的。
慎太郎のファーストキスは
呆気なく奪われた。
「彼女が男と並んで歩いている姿なんて初めて見たぜ。本当に何したんだよ、慎太郎」
デコピンをした額を擦りながら雅史が戻って来た。口を尖らせ不満顔だ。
「何した…されたのは俺だ。いや、今日初めて喋ったんだぞ?彼女のことだって知らなかったんだ」
「された?っていうか、世那ちゃん知らないとか…終わってるぞーっ!」
嘆く雅史は
面倒なので無視する。
本当に嘆きたいのは、自分だと訴えたいが聞き入れて貰えない悩みだろう。
キーンコーン…
「よし、今日はここまで。復習しとけよ」
「……え?」
ザワザワと、一気に教室内が騒がしくなった。先生も教材を片付け教室を出て行く。
悶々と考え込んでいる間に、授業が終わっていたらしい。
「…マズイだろ」
どんな授業の内容だったか全く記憶にないこともそうだが、今は世那だ。
世那が来てしまう。
「逃げる…か」
そう決め、立ち上がるが時は既に遅し…のようだ。
「慎太郎さん!」
満面の笑みで世那が、行く手を塞いでいた。
.