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制服を脱ぐ狼くんは。
第2章 *動く鉄の救世主*


『・・・』


お互い無言で歩いている。

まさか電車であんな目にあってるところに夏樹がきて

助けてくれるなんて。

というか、助けるなら普通に助けてくれても・・・

わざわざあんな触ることないのに!


『愛、あのおじさんに触られて濡れなかったんだね』


夏樹の第一声がそれだった。


『濡れるわけないでしょう!そんな誰にでも濡らすわけない』

『じゃあ俺が触ったときはなんであんなに濡れてたの』


夏樹はしれっと恥ずかしいことを聞くから

愛の調子がとても狂う


『それより・・・同じ電車でまさか痴漢にあってるところを

助けてもらうなんて思わなかった。ありがとう』


『ね、同じ電車でまさか愛が痴漢と格闘してるとはね。

それで俺に触られて電車の中で濡らしてるとはね?』


ニヤッと笑っている夏樹に愛はムッとする


『それより夏樹どこかにいってたの?今日休みでしょ?』

『本屋に行ってたんだよ、新しい小説を買いに』

『へぇ。あと部屋にいるの?いつも。』


ずっと気になっていたことを聞いてみた。


『は?どういうこと。俺はほとんど家にいるけど』


『いつもは全然音もしないから・・・

どこかにいってるのかなぁって』


『いや、家ではほとんど座ったままとかだから音もたたないだけ』


そんな話をしていると二人が住むアパートに到着した。


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