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制服を脱ぐ狼くんは。
第1章 *ノックの意味は*

7月に入り外も生暖かい空気で
ベランダでタバコが吸いやすい季節になった。
ガラッ
『あー疲れがとれるー』
タバコに火をつけながらそんなことを呟いていた。
愛の部屋のベランダは隣の部屋と薄い壁で仕切られているので
いつもベランダでタバコを吸うようにしている。
コンコンッ
急にその仕切りからノックが聞こえてきた。
まさかと思った愛だけど、
タバコが迷惑だなどの苦情かもしれないと思い
思い切って小さな声で答えた。
『・・・はい・・・?』
『こっち』
そんな声が聞こえるほうを見ると
ベランダの仕切りの外側から顔をのぞかせていた。
『わっ・・・夕方の、えっと』
『夏樹。園田夏樹』
『夏樹・・・くん。何か用?タバコの煙がくさかった?』
初めてしっかりと見る男の子、園田夏樹
お風呂に入ったばかりなのか少し濡れてる髪が色っぽくて
夕方はかけていなかった黒縁のめがねからのぞかせる冷たい目に
少し見とれてしまった。
『本、この季節は涼しいからベランダでよく本読んでる』
『そうなんだ。』
ただのお隣さんとこんな話を続けるのも・・・と思い
タバコの火を消して部屋に戻ろうとしていた。
『BGMのようにさ、お姉さんの喘ぎ声聞こえてきて
たまに集中力なくなることあるんだよね』

