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水蜜桃の願い
第2章  先生と生徒


……なぜだろう。
先生とこうやって身体を重ねると、ちゃんと愛されてるっていう実感が沸くのは。


言葉だけじゃなく、セックスでも先生は私にそれを伝えてくれる。
ある意味、言葉よりも深く。
私のまだ不安だった心を、こんなにも落ち着かせてくれるほどに。

先生のにおいに包まれながら、今はもう幸せな気持ちだけで充たされている自分の心に思わず苦笑いをした。


「……何?」


先生が、そんな私に気づいたのかそう聞いてきて、私はううんと首を振る。


「気になる」


軽く頭を撫でるその指先が、私の髪をとり、遊ぶようにする。
ぞわりとする感覚。
何をされても感じてしまう自分の身体──もう、と呟きながらさらに先生にぎゅっと抱きつけば、より先生のにおいが。

いつもの香り。それが汗と混じり合いさらに濃密に立ち上る。セックスのあとはいつもそう。まるでそれは媚香のよう。
先生を好きな気持ちをさらに強く、深くさせられてるんじゃないかと思ってしまうほど、私を虜にしてやまないにおい。

猫のように頭をすりすりとその身体に擦り付ければ、何やってんの、と苦笑混じりの言葉が。


「何だろ……急にしたくなったの」


少し考えて答えると、先生の胸が弾むように上下したのが伝わる。


「何それ」


ははっ、と耳に届く笑い声。



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