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水蜜桃の願い
第2章  先生と生徒


今日、感じたたくさんの不安。
それは先生のことが好きだからこそなんだ、って──深く満たされたすべてに、そんなふうに考えることができるぐらいの余裕が生まれてきていた。

そう。好きだから、不安にもなる。
相手を信じてるとか信じてないとか……きっとそういう問題じゃない。
好きだから、些細なことで気持ちは揺れ動く。

正直言って、先生とこうなった今だって、時折それを夢のように感じることもあった。
ふらふらと舞い上がる一方だった気持ち。
今回のことは、あらためて自分を見つめ直すいい機会だったのかもしれない。

たぶん、これからも気持ちの揺れは避けられないだろう。
先生を好きな限り、私はまたきっと勝手に不安になったりもしてしまうんだろう。
それでも──そんなふうになっても、やっぱりその存在を失うことなどもう考えられないぐらい、私のすべてはもう先生だけに向いている。

だからこれからも。
また生まれてくるであろう自分の中のいろいろな感情を、先生の言葉と身体が伝えてくれる想いに助けられながら、こうやってちゃんと消化させていくしかないのだと思う。
想いに嘘はないと、先生は充分私に伝えてくれた。
これ以上ないほどに。
そう、だから不安をなくせるかどうか……あとはきっと自分の中の問題────。



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